ビューティの地産地消。
日本の叡智が、現代人の肌を癒す。
地元で生産されたものをいただく。季節折々のものを取り入れる、といった先人たちは普通にしてきたことが今、改めて見直されています。ビューティにおいても、海外ばかりに目が向いていた時代を経て、日本で生を受けた私たちには、やはり日本の化粧品が合うのでは?という想いが、私自身、年々高まっています。
そんな折に出会った『chi to sé true』は、化粧品であって、それ以上の価値を感じさせてくれる存在です。日本の素材、色、文化に敬意を払ったコンセプトは、質のいいお食事を少しずついただき、体の中から美しさと健康を保つ丁寧で清貧な暮らしに相通じるよう。行きすぎたアンチエイジング志向や、時短、コスパといったここ最近の傾向を考え直すきっかけになるような気がするのです。
恐らく化粧品初。
発酵米ぬかの〝フレッシュな酵素〟をそのまま肌に。
メインに使われている発酵米ぬかは、とある東洋医学の先生が、門外不出の手法により、約6ヶ月の時間をかけ、手作業で育てたのもの。「フェイシャルウォッシュペースト クチハ(洗顔)」には、その発酵米ぬかが、フレッシュな状態で使われているのです。私が知るところ〝フレッシュな酵素〟が、そのまま入っている化粧品は、他にはありません。この快挙の背景には、水や添加物をほとんど使わず、発酵米ぬかにハチミツや黒糖、ローヤルゼリーなどを組み合わせた限界ギリギリのシンプル処方に踏み切った勇気と覚悟があります。そのため、発酵によりペーストが呼吸をしているように感じられたり、発酵臭がして感触も独特。いわゆる〝使い心地のいい化粧品〟とは、まったく異なるけれど、使うとなぜか肌と心がほっとする感じ。そして、使用後の肌は、ふくふくとしてしっとり。表面的な汚れや角質を取り去るのではなく、内に備わっている本来の力、たとえば自然治癒力などに働きかけ、内側から肌表面も整えるといった印象です。
〝売る化粧品〟ではなく、
〝スパで使う化粧品〟だからできたこと。
『chi to sé true』を作ったのは、全国の高級リゾートで数々のスパを運営する「ザ・デイ・スパ」です。化粧品の店頭販売をせず、基本的には、スパのトリートメントで使用し、きちんと結果を出すことを考えて開発したのが、この4品です。化粧品は、工場で大量生産し、大量に販売するものとずっと思ってきた私にとって、この手法や考え方は、目からウロコともいえました。職人さんによって手作りされた発酵米ぬかや発酵米ぬかエキスを使うなんて、常識からいったら非生産性すぎることだからです。けれど、そんな常識外れなことも、スパでの使用と、そこを訪れた人や公式オンラインショップだけの取り扱いであれば可能なこと。ここ最近、農作物や加工食品などさまざまなものにおいて〝作り手の顔が見えること〟が安心感や信頼につながると多くの人が思っていますが、化粧品においてもそんな時代が幕を開けるのかもしれません。広く全国に流通している大手ブランドには到底できない、プライベートブランドだからできる強みだといえるでしょう。
生きとし生けるものへの感謝と願いを込める、
未来への美容。
自然や道具といった〝もの〟に心があると考え、人の心と重ね合わせたり慈しみを持って接するという精神は、日本人ならではであるとされ、万葉集などにも多く詠まれています。毎日のスキンケアでも、ただパパッと肌につけるより、心を込めて手のひらでなじませるといった行為を伴うと大きな差がでると私は信じています。
『chi to sé true』は、京都清水五条坂にある若宮八幡宮に製品と精油をお納めし、祈祷をしていただいているという、これもまた通常にはないプロセスを踏んでから世に送り出されています。それは、自然界からいただいたものへの感謝と、この製品を手に取る人々が身も心も美しくあれ、という思いから行われていること。考えてみれば、化粧品を使うこと、スキンケアをすることは、ただ単に肌をケアすることではなく、心をもいたわり、明日からの自信と活力を授かることに繋がっています。
『chi to sé true』を手に取ることは、古きを温めて新しきを知ること。これからの人生を明るく自分らしく生きる希望の糧になるのだと思います。
PROFILE
倉田 真由美 Mayumi Kurata
美容ジャーナリスト。東京生まれ。
35年以上のキャリアを持つ美容ジャーナリストの草分け的存在。
女性誌編集部、編集プロダクションを経て独立し、雑誌の美容ページや新聞のコラム、PR誌などで執筆活動を続ける。
現在は、エクラ(集英社)、クロワッサン(マガジンハウス)、和楽(小学館)、MAQUIA(集英社)をはじめとする女性誌や、marie claire japan.comの「倉田真由美のBeauty Life」などで活躍。トレンドをバランスよく取り入れながら、ユーザーの立場に立った適切な記事やコメントを発信している。
また近年は、美容にまつわる講演やラジオ番組(J-WAVE、FM横浜)へのゲスト出演など活動の場を広げ、美容全体における啓蒙活動にも力を注いでいる。著書に「しあわせ美人のつくりかた」(ぶんか社文庫)がある。
instagram:@mayumikurata_beauty